平成27年度 本伝会視察研修報告

「門司港駅及び豊町御手洗&萩市伝建地区見学研修レポート」

平成27年7月18日(土)~19日(日)
(本物の伝統を守る会)  監事
「日高建築設計事務所」 日高淳一

〔はじめに・・・・・〕
 今回の見学研修は、是非「御手洗」を加えて頂くよう養父さんにお願いしたところ実施されました。しかし、一泊としては距離的に遠いため心配しましたが、予定通り見学研修することが出来ました。又、台風11号の接近で心配しましたが、運よく前日には四国、岡山から日本海へ去り、大変良い天気に恵まれました。参加者は、10名(内、2名は門司港駅見学研修で帰る。)で、日出の三ヶ尻さんと、中津の矢永さんは門司港駅での合流となりました。

〔研修日程概要〕
 7月18日(土)
*AM: 6:50 市役所集合。 *AM: 7:00 出発。(一路高速にて門司港駅へ。)
*AM: 9:00 門司港駅見学。→(*AM:11:00 一路高速にて豊町御手洗へ。)
*PM:15:00 御手洗伝建地区見学。→*PM:17:00 「呉駅」前ホテルへ。
*PM:18:00 ホテル到着。→*PM:19:00 呉市街にて夕食。
7月19日(日)
*AM: 8:00 ホテル出発。 (一路高速にて萩市へ。) *AM:11:30 萩市反射炉見学。
*PM:13:00 萩市内にて昼食。 *PM:14:00 萩市「佐々並市伝建地区」見学。
*PM:16:00 門司市内「三宜楼」見学。 *PM:17:30:(一路高速にて日田へ。) 。
*PM:19:00: 日田到着。

7月18日(土)
■ AM: 9:00~11:00 「重要文化財門司港駅保存修理工事」
 初めに、今岡武久所長(公益財団法人:文化財建造物保存技術協会)の概要説明がありました。
門司港駅本屋は、1914年(大正3年)竣工、すでに100年が経過し国の重要文化財に始めて指定された駅舎です。当時1等駅としては全国53ヶ所有り、九州では門司駅、博多駅、長崎駅、鹿児島駅、直方駅等がありました。1等駅は組石造で造られるのが決まりでしたが門司港駅は工期と予算の関係で、木造建築(一部鉄骨梁使用)とし約10ヶ月という短期間での工事で行はれました。木材は土台が桧、柱は杉、横架材は松が使用され、貴賓室にはチーク材も使われている。屋根は天然スレート葺き(一部銅版葺き)、外壁は耐火構造が要求された為、平瓦8寸角の厚さ20ミリ(焼きは甘く屋根には使えない)にモルタル塗りペンキ仕上げ。この工法は、明治から大正時代に掛けてよく見られる工法でした。また、一日に150人もの人工が動員されたとの説明もありました。正面車寄せ鉄骨庇部分は、昭和4年に造られている為今回は取り除くことになりました。この際どこかに移築する話も有りましたが、リベット接合の為解体が難しいとの事でした。